pl en jp

アンナ・グレツカ プロフィール

アンナ・グレツカは、モーツァルトやベートーヴェン、ショパン、ブラームスはもちろんのこと、ラヴェル、グレツキ、そしてジグムント・クラウゼ、トマシュ・カミェニャクなど近現代の作曲家の作品に至るまで、幅広い興味と多様なレパートリーを持つポーランドのピアニスト。これまでにレインベルト・デ・レーウ、ユオザス・ドマルカス、ヤチェク・カスプシク、アントニ・ヴィト、アニエスカ・ドゥチマル、イェルジ・マクシミウ、ミロスウァフ・ブウァシュチック、ディヴィッド・ロイド=ジョーンズ、ローランド・バーダー、マレク・モシ、スティーヴン・エレリー、フォルカー・シュミット=ゲルテンバッハ、ミハイル・シェンキェヴィチ、ヴォイチェフ・ミフニェフスキ、マレク・ピヤロフスキ、トマシュ・ブガイ各氏他著名な指揮者や音楽家と共演。

音楽一家に生まれたグレツカは、ピアニストの母と作曲家であった父 ヘンリク・ミコワイ・グレツキの影響で、幼少の頃より生演奏や偉大な芸術家と身近に接することのできる環境の中、音楽的な才能を開花させた。4歳より著名なピアニストで教師でもあるWanda Chmielowskaの元でピアノを学び、その後Bożena Dymek-LisakowaやMarta Czerewkoにも師事。1991年、カトヴィツェ音楽院にてクリスティアン・ツィメルマンを育てたアンジェイ・ヤシンスキ教授のクラスを優秀な成績で卒業。その後2年間にわたり、高名なロシア人ピアニスト兼教師 ヴィクトル・メルジャーノフ氏の元で研鑽を積む。その他、リー・カムシン氏のマスタークラスも受講し、多大な影響を受ける。在学中、ポーランド文化芸術省およびドイツ学術交流会より奨学金を得る。セニガリア国際ピアノコンクール(イタリア)、ブラームスコンクール(ハンブルク)、ポーランドピアノ音楽祭等のコンクールで入賞。

1994年のウィグモアホール(ロンドン)でのデビューリサイタルでは大成功を収めた。そのときの演奏についてある批評家は、“グレツカは素晴らしいピアニストであると見事に証明された。彼女の才能は、単純に4歳の頃からレッスンを受けてきたことに由来するものではない。それは神から授かった才能である。ラヴェルの傑作“夜のガスパール”の中間部分は私がこれまで聴いたなかで最も感動的であった”と評した

1998年以降ポーランドを代表するバイオリニストであるクシシュトフ・バコヴスキ氏と共演を重ねており、カロル・シマノフスキの“ヴァイオリンとピアノの作品集”はイギリスの月刊誌“Classical CD Reviews MusicWeb”にて“月刊ベスト賞”を受賞した。

ヘンリク・ミコワイ・グレツキ、ミコワイ・グレツキの作品を中心に、これまでに多数の現代音楽の初演も行っている。ミコワイ・グレツキの作品の他、トマシュ・カミエニアクによる“ソナタ”を含め、彼女のために作曲された曲も多い。特に彼女の父であるヘンリク・ミコワイ・グレツキの作品は彼女にとって特別な位置を占めている。

これまでに、モスクワ音楽院大ホール、東京芸術劇場、フェスティバルホール(大阪)、カタルーニャ音楽堂(バルセロナ)、ベーゼンドルファーホール(ウィーン)、ベルリンフィルハーモニー、コルストンホール(ブリストル)、エルミタージュ劇場(サンクトペテルブルグ)、ワルシャワ・フィルハーモニー、ポーランド国立放送響ホール他、世界各地の主要なホールで演奏。

また現在までに10枚以上のCDを録音しており、ヘンリク・グレツキのピアノ協奏曲 Op.40を含む作品(DUX 0924)は2013年にポーランドで最も権威のあるフレデリック賞にノミネートされた。

演奏活動と並行して後進の指導にも力を注いでおり、国内外のコンクールにて審査員を務める他、若いピアニストのためのマスタークラスも開催している。ワルシャワ・ショパン音楽大学で開催される夏期講習会では、講師として定期的に招かれている。現在カトヴィツェ音楽大学ピアノ科教授。門下の中からは国内外の多数のコンクールにて延べ30人以上の入賞者を輩出している。